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ホーム > 京のまちづくり史セミナー報告 > 京の緑とまちづくり -「市中の山居」小世界で創造された生活文化-(古代〜中世)
京のまちづくり史セミナー
第1回 京の緑とまちづくり(古代〜中世)
―「市中の山居」小世界で創造された生活文化 ―
講師:盒狭夫氏(花園大学教授・京都大学名誉教授)
開催日:7月30日(土)
会場:京都市景観・まちづくりセンター

 町家の庭は、国の名勝庭園に指定されるなど、大変注目されています。庭の考え方がどういうところに由来するのか、「市中の山居」という題目でお話いただきました。
市中の山居とは16世紀末から17世紀初め、日本に滞在した宣教師ロドリゲスによると「都市の中に見出される静寂な境致」のことです。当時の京都は人口数万の大都市であり、力をつけてきた町衆は伝統的な貴族文化を継承しながらも「茶の湯」という町衆文化を生み出し、生業と居住の空間に次元の異なる数寄の空間をつくり、自然を生活空間に持ち込むようになりました。
 興味深いのは町家の「奥」に造られた侘数寄の造形空間が、「過去」を向いている点です。屋敷の表にある現実から隔たれたこの虚構の空間で、遁世者として振る舞うことこそ町衆の愉しみであり、過去をみながらも未来を志向していく都市文化の胎動が感じられます。活力が満ち溢れる雑踏の巷と市中の山居とは際立った対照をなし、この内外の空間の組合せが、新興町衆の好みや居住形態とその文化に見事に合致したのでしょう。また侘びた草庵は、粗末のところに非常に美しいものを発見する=「侘び」という考え方が、文化的にもゆとりのある生活を確立していきました。
 大都市の極小の空間に自然を持ちこむことに、都市に住む面白さや知恵が読み取れ、現代の生活環境に示唆する点も少なくありません。大部分の日本の都市は、市街地のそばに山がみえます。都市のなかにあっても原風景を共有し、自然と共に暮らすことは、時代を経ても日本人の心に共有される生活文化なのです。
 
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